momen-logo

布は世界を映し出す

光のきらめき
風の呼吸
水の循環
命のつながり

日々の暮らしの中で感じる身近で壮大な美しさに学び、
デザインの中に込めることで同じ感動を共有したいと考えています。

スタジオモメンのEssence

自然が生み出した資源を人の手と知恵でつくり上げた布。
布がその土地らしさ、その人らしさ、自然の美しさを映し出してくれます。窓辺で揺れる布が、風を見せてくれます。
生地に触れるとどこか懐かしい、記憶や感覚、穏やかさを思い出します。わたしたちは自然の中で暮らしながら田畑で作物を作り、テキスタイルをデザインします。自然の一部として振る舞いながら、生きること、はたらくことで世界をより美しくするデザインを生み出していきたいと思います。

兵庫県の山間部の小さな棚田の村・岩座神を拠点としています。村には中世~江戸時代にかけて築かれたと言われる石積の美しい棚田の景色が広がっています。2024年わたしたちはここの敷地に新たな実験的な拠点を作りました。
ここでの暮らしは、外部のインフラへの依存をできる限り減らす試みをしています。電気を最小限の再生可能エネルギーの設備でまかない、排水は庭で浄化・循環させてビオトープへ、トイレはコンポスト化して畑へ、給湯は太陽と薪のエネルギーを使います。

棚田の休耕田を再び蘇らせ、有機栽培で稲作を行い地域の生態系を守りながら、自給的な暮らしを目指しています。日本の稲作は後継者不足などの問題で年々耕作放棄地が増えています。わたしたちは環境や景観保全、歴史文化の保全、生態系保全の観点など稲作の価値を現代の社会のなかで見直し、長い歴史ある棚田の景色を守りたいと思います。

わたしたちは綿花の栽培を行っています。日本のテキスタイル産業はコットンをほとんど輸入に頼っています。わたしたちが遥か遠い国で作られた綿花を国内に運び使用することは、大変心苦しい状況となっています。綿花の流通の問題に対して、スタジオモメンでは独自の方法でアプローチしたいと考えています。現在、特別支援高等学校や民間の縫製工場との畑の取り組みによって、コットンを生産しています。畑をすること自体に学びの機会や、コミュニケーションの機会創出などの価値をもたせることで、綿を副産物的に生産し、原材料調達の新たな手がかりにしたいと思います。

活動の範囲を身の回りから少しづつ外に、公に広げてゆき、やがて村の山の再生、小水力発電による地域資源の利用などにも取り組みたいと考えています。地域に根づくものづくりの文化を見つめ、そのバトンを受け取り、継承して行きたいと思います。
わたしたちは特に岩座神のある近隣の西脇市や多可町を中心として栄えた播州織の織物に長く携わって来ました。江戸時代からいまに繋がり洗練された織物の技術、知恵、そのものづくりの精神を受け取り、未来へつなげて行きたいと思います。

わたしたちは身近な暮らしを源流とするものづくりが、地球規模の環境問題へとつながっていることを強く認識しています。スタジオモメンのプロダクトは土から生まれ、土に帰り、その途中ではものを通して様々な人々へその思いを伝え広めて行く役割を担います。
わたしたちの活動を小さな規模に留めずできる限りある人生の中でできる限り広めて行きたいと思います。

Update on 2024/8/8

alt text

光に透けるテキスタイル

alt text